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デザイン思想

On 日 2015/04/26 16:50 JST In スマートドール
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目的

今まで「人生の目的」についてじっくり考えた機会が無い場合は、今すぐにでも探すべきです。人生の目的は発見が早ければ早い程、目標達成に捧げられる時間も増えます。

一定数はその答えを見つけずに一生を終える事がありますが、臨終の床で人生の悔いについて患者をインタビューした看護婦達のリサーチによれば、その多くは「他人の人生を生きたことが悔しい」と呟いたそうです。

人生の目的を探るのは難題ですが、日常生活に変化が無ければ発見する切っ掛けも掴めません。変化は新しい機会・趣味・考え方を齎し、今ある日常生活と可能性としてありえた生活の比較もできます。

変化を怖がったり、めんどくさがりさえしなければ受け入れるのも難しくはありません。普段行かない場所で、普段取らない行動を取れば何かに繋がる発見があるかもしれません。何も行動を起こさなければ何にも繋がりません。

秋葉原初訪問時の1993年
秋葉原初訪問時の1993年

居場所

人生の目的を見つける第一ステップとして、自分が住みたい場所について考える事をオススメします。
僕らを取り巻く生活環境は人生のコンセプトの感じ方・考え方・捉え方に直接影響を与えます。人、音、言語、周辺環境は五感を刺激し、それが身体的・精神的な影響となって現れます。

僕も長い間人生で何を成し遂げたいのか分かりませんでしたが、日本文化と触れ合う事で漸くそれを見つける事ができました。きっかけは1989年、セガのメガドライブというゲーム機。そこからアニメ作品「マクロス」に出逢い、イギリスにある書店「The Japan Center」で日本とその文化について知識を深めていきました。

それから僕は日本語を独学で学び始め、ロンドン市チェルシー区の日本料理店でバイト代を稼ぎ、文化を吸収するために日出づる国日本を訪れました。日本に住んで働きたいという強い願望に駆られたのはこの旅がきっかけでした。
自分の本当の居場所が分からない場合は先ず旅をする事をオススメします。海外でも国内でも、どこであろうと関係ありません。隣町を訪れるだけでも旅です。お金が無ければ僕みたいにレストランでアルバイトをするのも手です。皿洗いに抵抗が無ければの話ですが。

初訪問から21年後。スマートドールみらいと一緒に秋葉原を訪れました。
初訪問から21年後。スマートドールみらいと一緒に秋葉原を訪れました。

クリエイトするという目的

住みたい場所が決まったので、今度はそこで何をしたいのかを探らなければいけませんでした。来日後は科学雑誌「Nature」でウェブマーケティングに携わり、ネット関連のお仕事を始めました。そして、その後就いたアマゾンとマイクロソフトでも同じ分野の仕事に携わりました。

リーマン生活を送っているうちに起業欲が強まり、35歳までに会社を立ち上げるという目標を立てました。
その後、僕はマイクロソフトを退職してMirai株式会社を立ち上げ、この目標を無事成就させました。
Mirai株式会社では引き続きネット関連のお仕事に携わり、ディズニー、コロンビア、SEGAやコナミ等のクライアントにウェブコンサルティング/ウェブソリューションを提供しました。

2010年には、ブログ読者数やテレビ番組視聴者数が共に世界中に相当数いましたが、それでも何故か自分が意義深い事はまだ成し遂げていないように感じました。そこで再び「人生の目的」を己に問い詰め、一つの答えが出ました。

人は人類の夜明け頃からクリエイティブな生物でした。その証拠に4万年前の洞窟壁画や2万8千年前の原始的な陶芸品が発見されています。博物館では様々な文化が様々な形で創造性を発揮したのが伺えます。
人間が発達した手を持つようになったのは、物を作るのと、他者が作ったものを消費するためです。
僕は「作る」側に属していました。ブログやテレビ番組以上のもの、現実世界で実体のあるものを作りたかったのです。

なぜファッションドールなのか?

「球体関節人形」(大半は1/3スケール 60cmドールの事を指す)の存在を知ったのは2008年の頃。
レジン、ビスク、ソフビから球体関節人形を作るメーカーはたくさんおり、その大半はアジア系企業です。

ドールを不気味だと感じる方もいますが、僕からしてみればアートの一種。ヨーロッパ各地に展示されている彫刻と同じです。
1/3スケール球体関節人形は僕のマスコットキャラ末永みらいを現実世界に具現化するプラットフォームとしては最適だと感じました。

2010年には、みらいをモデルとした60cmドールの製作目標を立てましたが、いくらメーカーに話を持ち掛けても良い返事はもらえませんでした。資金は無く、みらい自身もビッグネームではなかったので仕方が無かった面もあると思います。
門前払いを喰らった僕はその後2年間、材料特性や様々な成形方法について徹底的に調査し、協力してくれるベンダーを探す為人脈をフル活用しました。

ドール製作で先ず必要だったのが原型師でした。といってもただ原型師ではなく、関節の仕組みのみならず材料特性も熟知した職人でなければなりません。その為スカウトに難儀しました。

そこで2012年中頃から様々なブログがコンシューマー向けの3D印刷技術を取り上げるようになり、あるアイデアが浮かびました。「原型師はいらない。ボディ原型は自分自身で3Dデータを作成してから出力すればいい。」と。

趣味はキャリアの武器になる

何年も前、僕は何故か3Dモデリングに興味を持ち始め、趣味としてグーグル先生から独学で学ぶようになりました。MayaやLightwave等のソフトを試しましたが、最終的には3D Maxに落ち着きました。上のビックバイパーもそのソフトで作成したものです。
まさか趣味として身に付けた3Dモデリング技術が15年後、僕の人生を変える上で極めて重要なファクターになるとは当時思いもしませんでしたね。
3Dモデラー数人の協力のもと、僕らは6週間以内で60cmドールの外皮と骨格のデザインを完成させました。

趣味がキャリアの武器になったのは今回が初めてではありません。

  1. 大学時代には日本と韓国の言語と文化に興味があったので、それらを同時に履修。現在はスマートドールのウィッグやアパレル用品を製作している韓国のベンダー達と韓国語で取引しています。
  2. 趣味として始めた日本に関する当ブログも、時間を掛け今のユーザー数へと成長しました。

情熱を持って生きてもお金にならない、と言いふらす人もいます。しかし、それは単純にその人の努力が足りず、その人が成し得なかった夢をあなたが叶えるのが耐えられないからです。

3Dラピッドプロトタイピング

3Dラピッドプロトタイピングによる商品開発は粘土の原型作成と比べて優位性が沢山あります。

3Dモデリングでは簡単に調整が利き、ボタン一つで原型サイズを瞬時に変更する事もできます。3D出力物で金型を作るとなると、最終製品の材料や製造プロセスにより収縮が起きる場合があります。スラッシュ成形の収縮率は5-6%。
この場合、3Dモデリングであれば出力されたプロトタイプの実際サイズを確認し、再出力前にサイズを5%大きくする事もできます。

3Dモデリングを終えた2012年12月頃にはアニメフェスティバルアジアでカルチャージャパン物販ブースを初出展。その後も各地のイベントで次々とブース出展しました。イベントでの物販と2012年にリリースした日本語学習商品もえかなの売り上げで、スマートドールプロジェクトのブートストラッピング継続に必要なキャッシュフローを確保する事ができました。

生産過程や起業経緯については下記の記事で詳しく紹介しています。

スマートドール・ザ・メイキングについてさらに詳しく >
僕のスタートアップ企業の設立経緯についてさらに詳しく >

似ているけど一体一体は唯一無二
似ているけど一体一体は唯一無二

日本的美意識の原理

「侘び寂び」には「Zen」(不必要な物を排除し、洗練された様)に基づいた七つの美的デザイン原理があります。
下記ではスマートドール開発話を交えながらこの中の三つの原理に焦点を当てます。

不均整 - 不完全性、左右非対称。

自然 - 誇示やわざとらしさが無い様。

脱俗 - 型にとらわれない様。

スラッシュ成形は自然と不完全性を生み出します
スラッシュ成形は自然と不完全性を生み出します

不均整 - 不完全と左右非対称の美。

不完全性も適切な量が集まり、相互補完すれば美しさが産まれる、というのが「わびさび」(わさびではない)の概念です。みらいちゃんは不完全であるが故に美しいのです。その不完全性は3Dモデリング段階のみならず、成形段階でもデザインに取り込んであります。スマートドールの成形方法は伝統的な「スラッシュ成形」を採用しており、これにより生み出される成形物は元来不完全な部分があります。

みらいちゃんはそれぞれ似ていますが、一つずつ手作りで作られているので、人間のように外見が全く同じ固体はありません。

3Dモデラーの大半は顔を造形する際、顔の片半分を作成してからそれを反転させて反対側に貼るという手法を取ります。理論的には問題ありませんが、それで実際に出来る顔は宇宙人のような不自然さが付きまといます。それは我々が普段から左右非対称の顔を見慣れているからです。
みらいちゃんのヘッドを造形する際は不均整を取り入れ、左右非対称になるようデザインしました。

スマートドールの外皮は現代的な3D出力技術と60年前から伝わる日本の伝統的な成形技法を組み合わせて作られています。
パソコンによる3Dモデリングではコントロールが利きますが、伝統的な成形は手作業で行われ、天候によってミクロンレベルの影響が出る繊細な作業です。

電鋳工程では金型の壁面が若干不均一になり、これから成形されるパーツにも不均一な面が現れます。
成形直前と成形直後の液体状態のソフビは様々な条件(気圧、温度、湿度など)に左右され、小さなホクロ、薄い白い筋、肌色の差異などの問題が生じます。

上記の問題箇所は強い照明環境(ドールに蛍光灯を数センチまで近づけるなど)、又は綿密に検査しなければ確認できないものもあります。これらはスマートドールを伝統的成形方法で作る過程で出来てしまうものであり、品質には問題ありません。

ドールの全体的な見た目が損なわれる問題が発見された場合は検品段階ではじき、損なわれない程度であれば僕が承認して出荷しています。意図的に低品質な商品を出荷すれば会社のブランドと将来性にも影響が出るので、品質には徹底しています。

問題が一切ない完璧な商品をお求めの場合は機械で成形された他社製品をお求め下さい。

スマートドールの膝は90°以上曲がりません。好みが分かれる仕様かもしれません。
スマートドールの膝は90°以上曲がりません。好みが分かれる仕様かもしれません。

自然 - 誇示やわざとらしさが無い様。

客に適切な期待を持って頂くことは極めて重要だと考えています。スマートドールに抱いていた印象と実際手元に届いた商品の落差に落ち込むという事態は極力避けたいからです。

この事業はお金の為ではありません。もしお金にしか興味がなければ、アマゾンやマイクロソフト等でそのままサラリーマンを続け、年収3000万円を貰っていた方がよっぽど得です。また、時間にもっと余裕を持つことが出来た筈です。独立した現在は家族、会社経営、自身の健康状態のケアに使う時間をどう分配するか考えなければなりません。
また、安定収入のリーマンを続けていれば、事業を継続させてスタッフの人件費を払う心配事から開放されます。

金儲けの為にドール事業を始めていたら自社製品の欠点など列挙しません。なるべく多くの情報を開示するのが大事だと考えています。たとえそれが購入断念に繋がったとしてもです。

デメリット

  1. スマートドールは他の主流のドールとは異なるプロポーションを持つ新参者なので、着用できる衣装は限られてきます。スマートドール用の新しいアパレルブランドを立ち上げましたが、現段階ではバリエーションはまだ少なめです。現在取り扱い中のアパレル製品はこちらをチェック
  2. 不均整のセクションでも取り上げましたが、伝統的なスラッシュ成形によって出来た成形品には自然と不純物が混ざってしまいます。人によっては許容範囲外の汚れが出てしまうケースもあるので、汚れが一滴も無い完全な商品が欲しい場合は他社製品をお求め下さい。
  3. 膝は机の上で跪けるよう曲がりますが、90°以上曲がりません。90°以上曲がる他社製ドールは膝が真っ二つになり、個人的にはあまり好きではありませんでした。
  4. スマートドールの腰には球体関節人形では初となるスマートサポートソケットが備え付けられています。この部位は好みが別れるかもしれません。
  5. 外皮は他社のソフビドールより硬めです。硬いソフビは色移りしにくいという特性がありますが、柔らかい肌を好む方もいるかもしれません。ただ、胸パーツだけは他社製品より柔らかいです。
  6. スマートドールは他社ソフビドールより低価格ですが、それでもPS4より高いことには変わりはありません。当社はスタートアップなので高い製造原価は避けられませんが、段階的にコストを抑える方針です。何年か先の話になるかもしれませんが。
スマートドールは同種ドールの今迄の常識を打ち破り、スマートサポートソケットを採用。
スマートドールは同種ドールの今迄の常識を打ち破り、スマートサポートソケットを採用。

脱俗 - 俗気がなく、型にはまらない様。

スマートドールには従来のソフビ製ドールでは見られなかったデザインコンセプトが盛り込まれています。
テレスコピックスタンドとエアスタンドをスマートサポートソケットに接続すれば、邪魔することなく本体を支え、空中ポーズも可能になります。

従来のドールには胴体のど真中に関節があり、分割線が目立ちました。スマートドールは新しい関節を採用し、分割線をバストラインの直ぐ下に配置することでよりナチュラルな外見を実現しました。

スマートドールの手首と足首は三軸関節を採用する事で表現の幅が広がりました。他社製ドールには無い機能です。

マーケティングの方針も「脱俗」です。従来の球体関節人形は既存ドールオーナーやアニメファンというニッチな市場しか相手をしてきませんでした。ドールイベントの主催者は人が映る場合は写真撮影を禁止し、「誹謗中傷の的」にならないよう顧客を大衆の目から隠してきました。ドール会社はこうして満足度を維持し、引き続き顧客がドールを購入できる環境を整えてきました。

当社は他社とは打って変わって、ドールを見たことが無い新たな市場をターゲットにしています。

これまでリリースしたファッションドールは001末永みらい002夢乃きずな。今後も数種類リリースする予定です。しかし正直に申しますと、お客さんにはスマートドールを全種購入して欲しいとは思っていません。スマートドールライフを充実化させる為に関連アパレル・アクセサリーを買って頂くのは何も問題ありませんが、個人的にはそれよりもスマートドールと一緒に旅をする事にお金を使って欲しいのです。訪れた事の無い土地に行き、新しい事を体験し、学び、知らない人達と出会う等々。スマートドールは野外用にデザインされていて、見ず知らずの他人と打ち解けるのに最適です。

既存ユーザーに全種類を購入して欲しくないもう一つの理由は、その分だけ新規層に出回る分が減ってしまうからです。最終目標は出来るだけ多くの方に当社商品が行き渡り、満足して頂ける事です。

弊社スタッフと五反田オフィスにお越し頂いた方々と集合写真
弊社スタッフと五反田オフィスにお越し頂いた方々と集合写真

企業文化

とある晩、僕はとあるゲーム会社の社長と秋葉原で一緒に夕飯を取っていました。そこで僕は彼に5年後の目標を問うと、毎年50億円の売り上げを出せる会社に育て上げる事だと即答しました。

多くの会社は金儲けをする為に設立され、投資家やシェアホルダーがいる場合はそうせざるを得ないので、決して間違った答えではありません。
ただ、僕が今迄観察してきた限りでは、金儲けに走る企業は利益を増やすため、コスト削減を重要視する傾向があります。そしてコスト削減に重きを置き始めると商品の品質は急激に下がり、顧客へのサポート体制も疎かになります。

こういった企業は商品を販売する際、試作品をフォトショ加工した偽写真を公開し、顧客に誤った期待を与えます。そして顧客は自分が期待していた商品と実際届いた現物の落差に落ち込みます。

当社はこのような事がないよう、商品の販売準備が完全に整うまで予約は受け付けていません。また、僕が撮る写真は全て商品用の現物であり、試作品の加工写真は一切あげていません。

商品の材料費をケチれば、当然商品も安っぽくなります。安っぽい商品を作った人としては覚えられたくないので、ここも気を遣っています。

ただ、現在のコストを問題視していないと言ったらそれは嘘になりますね。取引先のベンダーは僕が要求するクオリティに対して高い単価を請求し、それがスマートドールの販売価格に影響しています。しかし、品質低下によるコスト削減以外にも、やりくりする方法は幾らでもあります。

僕らはこの業界でまだ新参者なのでコストは必然的に高くなります。しかし、今後は徐々に取引ベンダーやスタッフを増やして作業効率化・新技術導入を図り、コストを削減するよう努めて参ります。削減出来た分は顧客に還元されます。

当社の企業文化が大事にしているのは顧客と商品です。金儲けではありません。優れた商品が提供できれば顧客は品質を評価し、お金は後から自然と流れてくるからです。情熱を追い求めれば、その他は自然とうまくいきます。

金儲けの為じゃないのなら、全部無料でやってもいいんじゃないの?

時折こんな興味深い質問も受けますが、あまりスマートな質問だとは思えません。

例えば子供の遊び場を作っている建設作業員が3人いて、彼らに何をしているのか質問をしたとします。

建設作業員1は「お金の為に働いています。」
建設作業員2は「遊び場を作っています。」
建設作業員3は「子供達が集まって一緒に遊べる場所を作っています。」
建設作業員3は仕事の対価としてお金を貰っていますが、仕事内容に対する見方は他の作業員より全体論的です。

お金は確かに人間の基本的欲求を満たす上では必要ですが、それ以外にも欲しい物を手に入れて人生をより豊かにする事もできます。僕にとってのお金は、会社を運営し続け、成長させる為に必要なキャッシュフローです。

先程も触れましたが、僕のモチベーションは金儲けではありません。もしそうだったら、僕は世の中の動向に興味を示さず、未だにリーマン生活を送りながらお金を稼いでいた筈です。皆さんが今読んでいるこの記事はおろか、カルチャージャパン、みらいちゃんやスマートドールも存在していません。

僕が今練っている、後世にも残したい世界を変革する大きな目標を達成する為には全体論的なアプローチを必要とし、お金に気を取られている限りは達成できません。
お金は幾ら持っていても、人生が終わればなくなる有限な存在です。

僕が思い描くビジョン

Dysonが登場する前にはHoover。Google検索の前にはAltavista検索。そしてApple iPhoneの前にはガラケーがありました。
球体関節人形自体は随分昔からあるので、スマートドールは厳密に言えば新商品ではないのかもしれません。しかし、前述した企業が既存商品に改良を加え、売り出したようにスマートドールも従来のドールには無かった新コンセプトや改善点が施されています。

現在市場に出回っているアニメドールはどれも素敵ですが、僕は自分が描いたビジョンを反映させたドールを新たな市場向けに作りたく、商品開発に乗り出しました。この新市場はここまで高品質なファッションドールを目にしたことも、体験した事もない層です。

スマートドールを役に立たない贅沢品と呼ぶ者もいるかもしれません。しかし、見方を変えれば「第三世界の一部では僕達が手放せない携帯電話を役に立たない贅沢品と呼んでいる」のかもしれません。

これに対し、「携帯電話は他者と連絡を取り合い、情報収集に役立つ一方、ドールはただそこにいるだけで人間にとって無価値」、だと反論する人もいるかもしれません。しかし、これも見方を変えれば「第三世界の一部の人たちにとっては携帯電話より、食欲を満たせる食べ物の方が価値ある物」、だと考えられているかもしれません。何が役に立つかは状況次第で人それぞれ。

スマートドールは人々を繋げ、オーナーの創造的行動を促します。オーナーの中にはスマートドールの絵を描いたり、クリエイティブな写真を撮ったり、衣服を自作する方もいました。

第三世界ではベルトバックルを戦車に見立てて遊ぶ子供の姿、そして第一世界ではスター・ウォーズの玩具でレーザー音を立てながら遊ぶ子供の姿を見たことがあります。人は子供であろうと、大人であろうと、どんな環境にいようと皆インスピレーションを必要としています。それはベルトバックル、映画、ゲームやファッションドールなど、形を問いません。

スマートドールのリリース日から一年足らずで彼女達は数千単位で世界各地に飛び立ちました。僕が思い描くビジョンは「スマートドールはファッションドールの世界基準的な地位を獲得し、世界中に普及する」というものです。実現も時間の問題です。

スマートドールの需要を満たせず、中々供給が追い付かない事で自分を責め続けた時期がありました。お金だけではどうしても解決できない問題は山ほどあります。
しかし、「ローマは一日にしてならず」ということわざがあるように、自宅から始まったスマートドール事業をグローバル展開させるのには時間が掛かります。とは言ったものの、実際ローマ建国に掛かった1,009,491日も待つほど悠長に構えるつもりはないですけどね!

共有したい教訓

スマートドールの製作を通して僕は様々な教訓を得ました。それは単なる製造方法だけではなく、人生のコンセプトもです。

諦めない事

もう一つのハードルはベンダーから送られてくる低品質、もしくは水準以下のサンプルや製品によるコンスタントな失望です。時には凄く落ち込む事もありました。ドール製作では複数のベンダーと取引をしていて、才能のある方もいれば、僕が求める品質基準を満たすのに苦労する方もいました。

人は自分の夢に信念を持ち、周りの意見に流されず、図太く生きる事が大切です。第一目標は友達作りではなく、自分がイメージした通りの品質で商品を作る事です。

才能あるベンダーの作品に文句を言うのは容易ではなく、「気難しい人」として嫌われますが、妥協すると商品並び夢はそこで砕け散り、自分以外の皆が得するだけです。

身近な人から「今のままで良い」や「大した事ないのに拘りすぎ」といった反対意見を受ける事もあるかと思います。反対意見に耳を向け、それが間違っていた事が後で発覚すると、避難は反対意見を唱えた者に集中しがちですが、真に責めるべきは彼らではなく、その意見を聞き入れた自分自身です。

心配事

多くの人は、ある物事の心配をしていると、自分が問題解決に向けて何か努力しているという錯覚を覚えますが、実際は無駄に不安がっているだけで時間の無駄です。
反響が予測出来ないデザイン案(例えばフレームや外皮)の決定は、今後のスケジュールやお金に深く関わってきます。人はお金や時間に対して保守的なので、判断が正しかったか不安になります。

ただ、下す判断全てが今後の進展に直結するという心構えでいれば、例え予想通りの結果が望めなくともより早く物事を決断できるようになります。

決断に迷い、不安がりながら立ち止まっていては何も進みません。そういった時は目標に向かって走り続けられるよう、一先ず何か適当に決めればいいのです。

心配事に関してもう一つ言える事は、そのおよそ95%は実際には起こらない出来事ばかり、という事です。いくら心配しても時間の無駄。
過去に抱えていた心配事を10個思い出してみて下さい。脳内で一生懸命解決シナリオを想像していたものの、その大半は杞憂に終わったものだと思います。

天候、ロンドン市内のバス事情など、自分の力ではどうにもならない事柄もあります。予測が付かない時は流れに身を任せるのみ!生まれてから全て分かり切っていたら人生はサプライズや教訓も無く、退屈なものになるでしょう。

心配は悪い事ばかりではありません。心配を行動に移し、物事を改善に向かわせる生産的な心配事もあります。「出荷に使われている外箱の強度が心配だ。両面段ボールを使おう。」もその一例です。

より良い方法

自分自身のワークフローには常に「もっと良い方法が『絶対』にある筈だ」、と疑問を抱く事が大切です。非効率なワークフローは放っておくとやがて足枷になり、目標達成への弊害になりかねません。

機能しているから平気、とは思わず常に改善に務めるのが肝要です。

タイミング

多くの人は何かをするのが「簡単」になる「タイミング」を窺いますが、実際はそんなものはありません。引っ越し、転職、出産、結婚や人生をかけたプロジェクトにも良いタイミング等はありません。

人生で何か成し遂げたい事があれば、今すぐ取り掛かるべきです。来週、来月や「新年の抱負」を作る新年等はもってのほか。新年の抱負は物事を来年まで先延ばしにする為の言い訳です。ある目標を抱負にする為、新年まで待つのであれば、その目標は大して重要ではなく、再び先延ばしされるのがオチです。

人生をかけたプロジェクトとはその名の通り、自分自身にとって最も重要な事柄でなければなりません。そうでなければそのプロジェクトは何の価値もなく、目標を達成する事はないでしょう。

復讐

プロジェクトは規模を増すにつれ、関わる人達も増えていき、中には裏切る者も出て来ます。

スマートドールプロジェクトでも数回裏切りを経験しました。報復したい衝動に駆られましたが、復讐心に取り憑かれると、報復自体を優先するようになり、やがて本来の目標を見失ってしまうのでグッと堪えました。騙された上、目標も諦めてしまっては裏切り者が喜ぶだけです。重要なのは仕返しに時間やリソースを割かず、前に進む事です。

裏切りによって産まれた怒りは目標を早急に達成する意欲へと変えた方が利口です。裏切り者は裏切り後も自分の進捗を逐一チェックしている場合が多いので、目標を達成した姿を見せ付ける事が出来れば、彼らに大恥をかかせて壊滅的打撃を与える事が出来ます。

これはネットやリアルにおける荒らしにも同じ事が言えます。僕は最近に至っては何をやってもアンチが付きますが、彼らが周囲の注目を集めたいが為に、ありもしない悪意のある噂を流さない限り、気に留めようとは思いません。
ただ、先程も触れたように、アンチに構ったとしても自分が貴重な時間を失う上、彼らに達成感を与えるだけなので何の特にもなりません。

アンチがアンチである理由は、彼らがリアルで何かを成し遂げる能力を欠き、その代わりに対象の注目を集め、達成感を得たいからです。

アンチは無視し、怒りに任せて後から後悔するような無計画な反撃に出ず、引き続き目標に向かって元気に過ごすのがベストです。

アンチは粘着質で、対象を一歩一歩監視しているので、いずれ成功するところを彼らに見せつけてやれば計画的、且つ、致命的な反撃が成功します。アンチは対象が成功し、前進する姿がとにかく嫌いなのです。

僕のアンチには知って貰いたいのですが、僕は目標を達成する度、こんな顔をしながらアンチの皆さんの事を思い浮かべています。
僕にとっては良い意味で不思議なくらい効き目があるので、どうぞアンチ活動を引き続きよろしくお願いします。

ぬるま湯

「ハードワーク(重労働)」の定義は人によって異なりますが、僕の場合は:-

人の限度を越えた労力を必要とする仕事です。人は生まれながらにしてエネルギーを貯蔵するようプログラムされているので、労力とエネルギーを要する困難なタスクは避ける傾向にあります。

エネルギーには精神的、そして物質的エネルギーの二種類があります。精神的なハードワークは気難しい人/荒らしへの対処、上司や締め切り等のプレッシャーを抱えながら働く事、状況がはっきりしない中で働く事や人間の基本的な欲求を脅かす決断に迫られる状況等が挙げられます。これらの事柄はエネルギーを要する為、普通は避けたがるものです。

一方、物理的なハードワークは休憩/睡眠/食事抜きの長時間労働(+持病)、体を酷使する作業、単純作業や飛行機で異なるタイムゾーンを頻繁に跨ぐ事等があります。

人は意識的にハードワークを避けている訳ではなく、効率良く生きる本能がインプットされているからです。故に、人はハードワークを無駄な労力を消費する非効率な事柄と認識し、この無意識的な効率化によって段々とぬるま湯に浸っていくのです。人間の基本的欲求を満たし、過度な負担を掛けずに効率良く過ごせる居心地の良い仕事も一種のぬるま湯です。

ただ、全く救いが無い訳ではありません。人は自身の本能に疑問を抱き始めれば、ハードワークは報われるものだと意識を改革する事が出来るようになります。第一歩は先ずぬるま湯から脱却する事です。

僕にとってスマートドールは何なのか

スマートドールは僕のビジョン、信念、そして今迄の人生で最も壮大なプロジェクトを象徴する存在です。40年生きて分かった事は、目標は大きければ大きい程ハードルは高くなり、躓いた時の痛みも増す、という事です。

ドール製作は全くの未経験の状態からの挑戦だったので学ぶべき事柄は多く、試行錯誤の中ハードルを越えようとして躓き、勢い良く倒れるケースも多々ありました。躓きを「失敗」と呼ぶ人もいますが、僕にとっては「教訓」です。単なる失敗のように見えても、行動は必ず何かに繋がります。行動を起こさなければ、何も動き出しません。
人は失敗がなければ何も学べません。学ぶ事が無ければ発展もなく、目標は達成できなくなります。真に恐れるべきは失敗ではなく、目標を達成出来なくなる事です。

みらいドールは日本的美意識と伝統的な成形方法を取り入れ、国内で生産されているので、個人的には日本を象徴する存在のようにも思えます。ちなみに彼女は日本観光庁公式のマスコットキャラでもあります ^^
日本は僕が住む土地、であると同時に人生を変えた文化の発祥地。みらいスマートドールは僕が日本に対する思いを全て詰め込んだ作品です。

物思いに耽る時、僕はみらい(きずな)を眺めながら、これまで彼女達に注いだ努力の軌跡を振り返る事がよくあります。日本語をゼロから学び始め、話せるようにならなければ、僕が描いたビジョンは到底実現できなかったでしょう。

「みらい」はその名の通り「未来」を意味しています。彼女を眺めるとエキサイティングな未来が見えてきます。未来は明るい!みらいこそ未来です!


ファッションドールの
新しいスタンダード

スマートドールがスマートと呼ばれる理由

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生産から出荷まで全て
日本国内

スマートドールは2〜5営業日以内に発送。

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ミライストアで購入

実物を触れたり、購入したり、ワークショップにも参加できます。

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